こんにちは。院長の木村です。
本日8月12日、当院の外来には「体がだるい」「咳が止まらない」「喉が激しく痛む」といった症状を訴える患者様が多く来院されています。
原因の一つとして挙げられるのが、異例のコースをたどって日本列島に影響を及ぼした台風15号です。さらにこの時期は、猛暑による「エアコンの長時間使用」も加わり、気道や喉の粘膜が強いダメージを受けています。
今後も8月後半から9月にかけて台風が上陸・接近する可能性があります。今回は、台風とエアコンが重なることで起きる呼吸器トラブルと、今後の台風シーズンを乗り切るためのポイントを解説します。
なぜ今「咳・咽頭痛・倦怠感」が一気に増えているのか?
現在の体調不良には、「台風」と「エアコン」という2つの要因が複雑に絡み合っています。
- 気圧の急変動による「気道のむくみ」と自律神経の乱れ
低気圧の接近に伴い体内の組織が膨張し、気道の粘膜がむくむことで激しい咳や息苦しさが誘発されます。また急激な気圧変化で自律神経が乱れ、強いだるさ(倦怠感)を引き起こします。※根拠:気圧の急激な低下と喘息症状悪化の関連性は、多くの疫学調査(Fu J, et al: J Asthma Allergyなど)で報告されています。 - エアコンによる「乾燥・冷え・カビ」による喉の炎症
猛暑でエアコンをつけっぱなしにすると、室内の湿度が下がり喉の粘膜が乾燥して防衛機能が低下します。そこに冷風による喉の冷えや、エアコン内部で繁殖したカビ(アレルゲン)が送り出されることで、激しい咽頭痛や咳が引き起こされます。 - 台風の風雨によるアレルゲン飛散
台風の強風によって街中のダニ・カビ・チリが一気に巻き上がり、これらを吸い込むことで気道や喉のアレルギー反応が一気に悪化します。
【補足】気象変化と症状の出方には「個人差」がある
一方で、海外の研究(Mireku N, et al: Pediatricsなど)では「気圧変化と喘息発作に明確な関連が見られなかった」とする報告もあり、気温・湿度の変化や元々の体質によって影響の受け方には大きな個人差があります。「自分がエアコンや天気に左右されやすいタイプかどうか」を知ることが予防の第一歩です。
今後の台風上陸・猛暑に備える
今シーズンはまだまだ台風や猛暑が続きます。以下の対策でご自身の体調を守りましょう。
- エアコンの「直風」を避け、保湿・清掃を徹底する 風向きを上向きにして冷風が直接喉に当たらないようにし、設定温度を下げすぎない工夫をしましょう。また、加湿器の併用やこまめな水分補給で喉を潤し、エアコンフィルターの清掃でカビの吸入を防ぐことも重要です。
- 処方薬(吸入薬など)を自己判断でやめない 喘息や咳喘息の予防薬(吸入ステロイド等)は、症状がない日も継続することで気道の炎症を抑え、気圧変化や冷気刺激に強い状態を作ります。手元の薬が少ない場合は台風接近前に補充しておきましょう。
- 気圧低下の前日から十分な睡眠・入浴を心がける 身体が疲弊していると自律神経や免疫機能のダメージを直接受けてしまいます。予報で荒天が分かっている前夜は湯船に浸かって体を温め、睡眠時間を意識的に確保してください。
院長からのメッセージ
「台風の日にだるい」「エアコンをつけると喉が痛くて咳が出る」というのは、身体が送っている大切なSOSサインです。
当院は大宮駅からすぐの立地にあり、お仕事帰りなどにも受診しやすい環境を整えています。台風15号の影響やエアコンで体調を崩された方はもちろん、「今後の台風シーズンに向けてしっかり予防しておきたい」という方も、重症化させる前にぜひご相談ください。